OSSI

Society for Orthopaedic Surgical Site Infection


OSSI(Society for Orthopaedic Surgical Site Infection)とは


 OSSI(Society for Orthopaedic Surgical Site Infection)は、整形外科領域の手術部位感染(SSI)に関する臨床及び研究の学術知見の交流の場とし、本研究分野の発展を期すために立ち上がった研究会です。関東近郊の複数の地域中核病院を中心に活動を行っています。
 まず、最初のステップとして、整形外科領域のSSIの現状を把握することを目的として独自にSSI調査(OSSIサーベイランス)を開始いたしました。本サーベイランスは、整形外科手術に特有な調査項目を設けることにより、整形外科領域におけるSSIの現状をより詳細に把握することを目標としています。なるべく大規模で良質なデータを集積・解析することで、さらに踏み込んだ対策を必要としている分野をより的確に見極め、具体的にどのような対策が有用であるかを探索することを目標としています。2013年11月1日から活動を開始し、2017年2月までに施行した入院手術患者様を対象とし、10000件以上の手術情報を蓄積することができました。わずか数年の取り組みではございますが、すでに様々な知見が得られており、SSIという大きな問題に対して大きく貢献できているのではないかと思います。皆様に少しでも安全で高度な医療が提供できるように、引き続き様々な提言を発信していきたいと考えています。
 また、OSSIでは上記サーベイランスを通して整備できたSSI調査基盤を元に、特に重要なテーマについて、少しずつ検証的な作業にも取り組んで参りたいと考えています。昨今、医療の現場では「科学的根拠に基づく医療の実践」が重要視されています。探索的な研究から得られた仮説は、前向きに検証し確認を行うことで初めて「科学的に立証された」ことになります。また、このような検証的作業を通してその有用性が確認できた対策は、国内だけでなく世界中の多くの患者様に還元することができ、長期にわたり恩恵をもたらします。世界中の少しでも多くの患者様に、より安全でより高いレベルの医療を提供できるよう、少しずつ前進していきたいと思っております。

2017年9月吉日 OSSI研究会